情報公開について
財団法人 日本糖尿病財団平成21年度事業報告書(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)
I 事業の概要
平成21年度は、前年度に引き 続き、財団の目的を達成するための諸事業を強力に実施した。特に、糖尿病に関する調査研究に対する助成事業の推進を図るとともに、糖尿病に関する予防キャ ンペーンによる正しい知識の普及啓発活動の実施及び助成を行い、さらに国際交流活動等を積極的に実施した。また、今年度から日本赤十字社における献血の 際、得られた糖尿病のデータ解析を実施した。
II 事業の内容
1 糖尿病に関する調査研究に対する助成
(1)財団独自の糖尿病調査研究に対する助成として糖尿病合併症の種類・治療状況などの実態調査・研究、遺伝子異常による発症機構の研 究、動物実験での発病メカニズムの解明を目的とする研究など幅広い糖尿病に関する研究の公募を行ったところ全国から36件の応募があり、選考委員会におい て審査の結果、6名に対し5百万円の助成を実施した。
(2)ノバルティスファーマとの共同による研究助成として膵島機能に限定した若手研究者に対する公募を行ったところ全国から35件の応 募があり、選考委員会において審査の結果、10名に対し1千万円の助成を実施した。
選考委員 |
||
---|---|---|
委員長 |
葛谷 健 |
藍野加齢医学研究所糖尿病セン ター センター長 |
委 員 |
岩本 安彦 |
東京女子医科大学糖尿病センター センター長 |
〃 |
柏木 厚典 |
滋賀医科大学附属病院長 |
〃 |
河盛 隆造 |
順天堂大学医学部 教授 |
〃 |
山田 信博 |
筑波大学学長 |
2 糖尿病に関する予防及び教育啓発活動の実施及び助成
(1) (社)日本糖尿病協会との共催による糖尿病予防キャンペーン講演会
東日本地区は、静岡県静岡市において、
西日本地区は、鹿児島県鹿児島市において開催された。
東日本地区 |
|
---|---|
日 時 |
平成21年12月13日(日) |
会 場 |
静岡市しずぎんホールユーフォニア |
世話人 |
静岡県立総合病院 診療支援部長 井上 達秀 |
基調講演 |
基調講演1 「生活習慣と糖尿病予防」 講師 東山武田病院 院長 葛谷 英嗣 基調講演2 「節約・健康法〜あなたがやせられない本当の理由〜」 講師 京都大学経済研究所 古川 雅一 |
パネルディスカッシン |
「糖尿病の足、歯、眼の病変をもっと知ろう」 <パネラー> フットケアとは? 静岡富士病院 黒松 久恵 歯周病と糖尿病・歯周病が全身に及ぼす影響 静岡県立大学 吉田 直樹 糖尿病による失明を防ぐために さくら眼科 松久 充子 <司会> 焼津市立総合病院 井村 満男 県歯科医師会 竹下 朝也 |
特別講演 |
「若く生きる」 講師 プロスキーヤー 三浦雄一郎 |
西日本地区 |
|
---|---|
日 時 |
平成21年11月12日(木) |
会 場 |
かごしま県民交流センター県民ホール |
世話人 |
鹿児島県栄養士会 会長 立川 倶子 |
基礎講演 |
糖尿病合併症の防止にはどうしたらよいか」 講師 日本糖尿病財団理事長 金澤 康徳 |
特別講演 |
特別講演T 「糖尿病から母子を守るためのキャンペーン」 講師 海老名総合病院・糖尿病センター長 大森 安恵 特別講演U 「増加する糖尿病予防のための取り組み」 講師 社団法人日本糖尿病協会理事長 清野 裕
|
3 糖尿病に関する国際交流活動の実 施及び助成
国際交流活動の一環として前年に引き続き第5回目は、デンマーク コペンハーゲン
Hotel Skt .Petriにおいて「Frontiers in Diabetes Research and Clinical
Diabetology2009」に関する討論を平成21年5月13日から15日の3日間実施する為の助成を行った。選考による助成者は12名であるが内
4名は、世界的なインフルエンザの流行で所属先の都合によりキャンセルした。
4 糖尿病医学研究集会及び糖尿病患者の管理向上のための普及啓発活動に対する援助並びに管理向上のための方法についての調査研究に対する助成として次の学術 集会に助成を行った。
小児インスリン治療研究会
大阪糖尿病アカデミー
第44回糖尿病学の進歩
第9回日本先進糖尿病治療研究会
第21回分子糖尿病学シンポジウム
第11回アジア糖尿病学シンポジウム
第46回糖尿病学会近畿地方会
糖尿病データマネジメント研究会
Diabetes Masters Conference
日本糖尿病進展抑制研究会
膵臓・膵臓腎臓同時移植支援組織構築の研究
ステロイド薬服用者における代謝異常の病体分析
第47回日本糖尿病学会関東甲信越地方会
第14回国際内分泌会議サテライトシンポジウム
大宮医師会コホート研究
第25回熊本医学・生物科学シンポジウム
第13回日本心血管内分泌代謝学会学術総会
加古川糖尿病臨床研究会
日米医学栄養代謝部会合同会議
滋賀糖尿病性腎症進展予防研究会
糖代謝異常妊娠全国調査研究
第52回日本糖尿病学会年次学術集会
5 平成21年5月より、日本赤十字社の献血事業の際にグリコアルブミンを指標として
献血者の糖代謝異常を判定し、疫学的検討を行うことになった。 日本赤十字社の献血事業
は年間わが国の成人500万人を対象として行われており、成人 の糖代謝異常についての
疫学的データを検討し、わが国の糖尿病の対策を立てる上で重要 な事業と考えられる。
この事業の目的の一つは、妊娠可能な女性の糖代謝異常を見出す ことであり、献血した
個人には日本赤十字社の出先機関より評価を含め、通知される。 疫学的には成人の糖代謝
異常について極めて意義があり、糖尿病妊娠学会中林理事長、糖 尿病財団金澤理事長、糖
尿病財団大森監事らが日本赤十字社のスタッフに協力してデータ を分析中である。